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福島市内のメガソーラー造成地から泥水が流出

福島市がノーモア宣言

市民の声を受け、福島市は23年8月、『ノーモアメガソーラー宣言』を発表、山地へのメガソーラー設置は望まないという方針を示していた。市によると、山間部のメガソーラーの多くが斜面に設置され、森林伐採で土壌が保水機能を失い、過去には土砂が流出する被害もあったという。なお、市は24年2月、福島県に対して景観保全や災害防止などの対応を求めている。

今回の事故を受け、AC7は再発防止策を講じて顛末書を提出し、本誌の取材にはこう回答した。

「6月21日までに、林地開発で許可された本設のコンクリート側溝を設置し、泥水の流出を抑えるため、場内には沈砂池を複数増設した。急激な降雨によって表土が洗堀されないよう、植生種子吹付で緑化を進めている。今後は、調整池に監視カメラを設置して水位や濁度を監視する」。

福島市環境部環境課の担当職員は、「災害用の監視カメラを建設用地周辺の沢の下流に設置し、現地を監視していく。AC7には、市民の安全と景観維持への対応を徹底してもらう」という。

脱炭素社会の実現に向け、太陽光発電は欠かせないが、国民の賛同が得られなければ、太陽光発電のさらなる導入拡大は難しい。地域住民との合意形成が課題であるだけに、開発事業者は住民らと丁寧な対話を図るべきであろう。

AC7は植生種子吹付で緑化を進めている。写真は植生状況

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