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経産省、太陽光の保安規制見直しへ

経産省は太陽光発電の保安規制にメスを入れる。低圧設備に報告徴収と事故報告を義務づけるほか、太陽光発電設備の技術基準を新たに整備する。

太陽光発電設備の倒壊や飛散事故が相次ぐなか、経済産業省は規制強化に乗り出す。まず出力50kW未満の低圧太陽光発電設備を報告徴収や事故報告の対象に加える方針だ。低圧案件の損壊事故が頻発している事態を問題視している。

2月5日に開催した新エネルギー発電設備事故対応・構造強度ワーキンググループで、電気火災や他物件への損傷、主要電気工作物の破損、死傷事故に関して報告を求める案を示した。これらが発生した場合、発電事業者に対し、事故確認後24時間以内に速報を、30日以内に詳報を求める。速報には電話での口頭連絡も認める。詳報については、低圧の場合、電気主任技術者がいないため、簡素に事故報告ができるようにするための方法を検討中だ。

10kW未満の住宅用太陽光発電設備は報告徴収と事故報告の対象外にする考えだが、10kW以上の太陽光パネルを搭載した住宅も対象外にするかどうかは未定だ。

一方で、経産省は太陽光発電設備に特化した新たな技術基準を整備する。太陽光パネルやPCS(パワーコンディショナ)に関する第三者認証に加え、基礎や架台の設計確認など、設計・施工段階における技術基準への適合性を確認する仕組みの構築を図る。水上用太陽光発電設備には、昨夏の山倉ダムのメガソーラー火災事故を受け、専用の技術基準を設ける方針だ。

いずれの基準も、具体的な内容は、2020年度から本格的な検討を始める。

ともあれ、技術基準があまりに堅牢な設備を求めることになれば、建設費が嵩み、太陽光発電の普及を妨げてしまう。慎重な議論が求められている。

昨年の秋に倒壊した静岡県伊東市にある太陽光発電所。低圧分割ソーラーで、事故報告や報告徴収の対象ではないが、今後はこうした事故を起こした場合に、経済産業省への報告が義務となる

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