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中国の威信を賭けた6大6小救済策を探る

公的資金と需要を手にした12社

6大6小救済策の骨子は2つ。そのひとつが中国での太陽光発電プロジェクトに対し、政府が民有機関に融資保証を入れるというものだ。つまり公的資金の注入である。

市場では「数兆円を超える紙幣が動く」とされ、LDKが600億元(約8020億円)、サンテックパワー500億元(約6680億円)、インリー360億元(約4800億円)、トリナとJAの2社はそれぞれ300億元(約4000億円)もの融資枠を獲得したという。

優先的な融資と同時に動きだすのが中国内需の拡大だ。地方政府主導で太陽光発電所を建設するとともに、送電会社もつくり系統強化も図るという。すでに第12次五カ年計画によって、2015年までに21GWの導入が策定済みだが、この規模を遥かに凌ぐ数字が一人歩きし始めた。

その数、13年予測で7GW。欧州を超え世界最大の需要地となるとともに、20年には20GWという予想まで飛び出す。

12社は融資枠とともに、膨大な供給先まで手中に収めたわけだ。中国マーケットの拡大を見越して、増産へと動き始めた企業も少なくない。「700MW近くの増産が進む」。「来年、一挙に4.3GWまで拡大させる」といった憶測まであるほど。

そのほか、LDKなどは発行済株式の一部を地方政府が特別株として買い上げるなど異例の対応は続く。

6大6小効果はすでに株価でも見て取れる。NYSE、あるいはナスダック上場の9社が持ち直しつつある一方、韓国ハンファの資本となったハンファソーラーワンは逆に、上場廃止間近の水準まで陥った。

だがその一方で、企業選定に対する不満は燻り、「中国当局による支援によって、市場の競争原理が歪む」との批判が根強いもの事実だ。

当然、日本も無関係ではいられない。いまでこそ市場規模の拡大によって、日系モジュールのひっ迫感が現実のものとなるが、増産に踏み切れる企業はほんの一握りだ。

日本と中国の間で、生産規模に対する歴然たる差が拡がったそのとき、日系勢は彼らと互角に渡り合えるのだろうか。

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