日本版FIT、2年目の買取り価格13年2月中旬にも決定か
焦点は買取り区分の導入
1.7GWを超えた初年度の設備認定数が10月を機にピークアウトを迎えるなか、市場では早くも次年度の買取り価格に焦点が移りつつある。
経済産業省では早ければ年内にも、調達価格等算定委員会を招集する見込みだ。開催数などはまだ未定だが、行政手続き法上、30日と規定されたパブリックコメントから逆算すると、新たな買取り価格は遅くとも来年の2月中旬までに決める必要がある。
日本版FITでは毎年度、買取り価格を決めるとの規定がある。その価格の決定機関が調達価格等算定委員会で、同委員会が算定した価格を経済産業大臣が承認すれば、買取り価格は決まるという仕組みだ。
日本版FITの創設となった今年は7回開催されたが、2年目も同じ数だけ開催するかはまだ未定。
ただ決定プロセスは明快だ。経産省では設備認定をする際、発電事業者に対して建設コストの提出を義務づけている。初年度こそコスト等検証委員会やJPEA等のヒアリングからシステム単価を32.5万円/kWと算出。この単価に税引き前IRR6%を上乗せすることで、42円/kWという価格帯を導いた。
だが、2年目以降は実際の生きた導入コストデータがある。経産省が半年ごとに集計する設備コストの単価から平均値を割り出し、IRR6%を乗せれば買取り価格の算出が可能となる。
IRR6%という水準も、事業者利潤に配慮するという規定によって、3年間は変わることがない。
ただし、この決定法は数の規模が働かず、買取り区分を設定できないということが大前提となる。集計データによって、規模ごとのコスト差が明白になれば当然、区分分けが必要だ。区分の有無によっても算定委員会の開催数は増減するだろう。
いずれにせよ、来年2月中旬までには委員会案が発表される模様だ。
一方、9月26日には賦課金の減免対象事業者が公表された。賦課金の80%を免除される特例措置に認定された事業者は874の企業や団体などおよそ1300事業所。減免額は70億円になる見込みだ。
事業者へは減免措置にともない交付金が支給されるが、その財源は法で規定された予算上の措置に基づき、毎年度、経産省が予算要求する。今年度は8月から賦課金単価0.22円/kWhが電気料金に賦課されたため、年度末までの8ヶ月分の財源をすでに確保済みである。
ただ、来年度からは12ヶ月のフルシーズンとなる。減免額は0.22円/kWh×事業所の電気使用量に0.8を乗じ、さらに賦課金上昇分の差分を加えるため、100億円を超す見込みだ。