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愛媛でモジュール50MW生産へ

ウエスト、台エバーソルと提携投資額7億円

国内の太陽電池モジュール生産の収益悪化が取り沙汰されているなか、今年5月から愛媛県松山市で新たにモジュール生産が開始される。住宅用PV(太陽光発電)施工国内最大手のウエストホールディングス(広島市西区、吉川隆会長)と、台湾の太陽電池ウエハメーカー、エバーソル(台北市、郭彦辰会長)による共同事業だ。総投資額は約7億円。太陽電池セルをエバーソルが供給し、愛媛でモジュールを生産、ウエストが国内に販売する。

ウエストとエバーソルの合弁事業は昨年11月にスタート、共同出資でモジュール製造会社を設立した。当初社名をエバーソル・ジャパンとしたが、今年3月に「イーソーラー」に改名。資本金は6億7千万円で、出資比率はエバーソル61%、ウエスト39%で合意。新会社の社長にはエバーソルの郭彦廷氏とウエストの郭海彬氏が就任した。

新工場は、愛媛県松山市西垣生町の敷地約4900㎡に建設。モジュール製造装置大手のエヌ・ピー・シーから、年産能力50MWの最新ラインを導入した。5月に稼動させ、6月にはフル生産に入る予定だ。

製品は主に4つ。①N型単結晶ウエハを用いたバックコンタクト式の高効率単結晶モジュール、②通常の単結晶モジュール、③モノライク型の高効率多結晶モジュール、④通常の多結晶モジュール。

セルは、エバーソルが、台湾のセル大手ジンテックや中国の大手セルメーカーから調達し、イーソーラーに供給する。イーソーラーで生産したモジュールは、ウエストが、国内の住宅用PV市場や産業用PV市場へ販売していく。

今回の提携は、11年6月頃、エバーソルがウエストに日本向けのモジュール販売で協力を要請したのがきっかけ。エバーソルは台湾で結晶インゴット・ウエハを生産してきたが、11年のPV市場の低迷を受けて、原料生産だけでは先行き不透明と判断。新たにモジュール生産に参入して日本へ販売する構想を練っていた。

一方、ウエストは、海外製モジュールを販売してきたが、国産モジュールのニーズを汲み取り、国産品を扱う考えがあった。そこでエバーソルの依頼に対し、日本で、共同でモジュールを生産するよう提案。エバーソルがこれに合意し、提携が結実した。

イーソーラーの郭海彬社長は、「日本に進出している海外のモジュールメーカーの多くは、例えばモジュールに不備があった場合、交換するだけで原因を追求していない。それでは抜本的解決にはならない」とし、「我々は、国内で生産から販売まで一貫して管理することによって、これらの問題も徹底的に分析し、改善していく考えだ」と方針を語った。

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