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原子力機構、ウラン蓄電池開発

放電試験で放電を確認

JAEAは開発したウラン蓄電池をLED灯と接続して放電試験を実施し、光の点灯を確認した。動作を確認したところ、市販のアルカリ乾電池に近い起電力1.3Ⅴを示したほか、充放電10回繰り返しても性能に変化はなく、負極や正極ともに電解液中に析出物がなかったという。安定して充放電を繰り返せる可能性を示せたようだ。

JAEA原子力科学研究所NXR開発センター大容量蓄電池開発特別チームの大内和希研究副主幹は、「実用化されているレドックスフロー蓄電池のバナジウムと比べ、蓄電ロスが少ないうえ、大容量化の可能性を秘めている。ウラン蓄電池を開発したことで、劣化ウランの資源価値の向上に繋げることができるかもしれない」と見解を述べた。

ウランを使用するだけに、設置可能な場所は限定的で、原発の敷地内などの放射線管理区域内に限られる。それでも、JAEAの大内研究副主幹は、「実用化できれば非常用電源としての利用が期待できる。今後は実用化に向け、大容量化と性能向上の研究開発に取り組む」と意気込む。

ウラン蓄電池を用いた放電試験の様子

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