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環境省、環境配慮ガイドライン策定へ 低圧太陽光オーナーも対象

環境省が出力10kW以上の太陽光発電所の所有者に対し、環境配慮ガイドラインを作成する。2020年4月からの実用を計画。環境に配慮した太陽光発電所の運営を促す。(本誌・岡田浩一)

環境省は、環境影響評価法や条例の対象とならない出力10kW以上の地上設置型太陽光発電所をガイドラインの対象とする。発電事業者への検討項目を、土地の安定性や濁水、騒音、景観、生態系への影響など8つ設けた。

ガイドラインゆえ法的拘束力や罰則はないが、環境省大臣官房環境影響評価課の森田紗世課長補佐は、「事業者は、ガイドラインに基づき環境配慮に取り組み、住民や自治体に説明することで、地域に受け入れられやすい太陽光発電事業とすることができる。また、自治体が事業者に対して助言する際の参考としても活用いただける」と期待を込める。

発電事業者はチェックシートに沿って検討項目を確認できる。チェックシート内にはフローチャートが記載してあり、事業者はどの項目を検討すべきか一目で分かる。チェックシートは、出力50kW未満の低圧太陽光発電所用と50kW以上高圧・特別高圧太陽光発電所用に分かれている。

出力30MW以上の大規模な太陽光発電所の開発は今年4月以降、環境影響評価法の対象となる。それ以下の設備容量の太陽光発電所も自治体が制定する環境影響評価条例の対象となる場合もあるが、多くは建設用地が50ha以上の太陽光発電所が対象だ。

小規模な太陽光発電所には環境影響評価の基準がなく、太陽光発電所の建設が周辺環境に悪影響を及ぼす事例が増えていた。環境省はガイドラインで是正したい考えだ。

環境省は19年12月にガイドライン案を発表し、12月24日から1月23日まで意見を募集した。加筆・修正して3月末までに完成させ、4月以降の実施を目指す。

チェックシート内にフローチャートを記載。検討項目が一目で分かる

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