ムラオカパートナーズ、蓄電池で24時間自己託送へ
鹿児島県内で新たな自己託送が始まる。蓄電池を用いた24時間の遠隔自家消費だ。
南九州で太陽光発電所のEPC(設計・調達・建設)を手掛けるムラオカパートナーズ(鹿児島市、村岡茂樹社長)はこのほど、鹿児島県伊佐市内に蓄電池併設の太陽光発電所を建設。自己託送制度を活用して2021年9月より鹿児島市内の本社へ全量自家消費する。
同社は、出力計356kWの中・サンテックパワー製太陽光パネルと同50kWの中・ファーウェイ製PCS(パワーコンディショナ)に、蓄電容量計960kWhの中・BYD製蓄電設備を採用。パネル、蓄電設備、PCSの順で配線を接続し、高圧太陽光発電所として稼働させる。自己託送制度を活用するうえで必要な電力広域的運営推進機関への計画値提出などは協力会社へ委託する。
同社は21年4月より仮想通貨の採掘に着手し、同事業で1時間あたり50kWh程度の電力を24時間消費している。そこでその消費電力を「再エネ電力で賄おう」(村岡茂樹社長)との着想から24時間の自家消費を目論み、太陽光パネル容量や蓄電池容量を設定。サンテックパワージャパンの協力を得て計画を進めた。
今事業の総投資額は約1億円で、そのうち蓄電設備費が約6割を占めるという。村岡社長は「託送料金などもかかり、残念ながら採算は合わない。しかし、データを集めるなどして今後の提案へ繋げていきたい」としている。
ムラオカパートナーズは、自社で太陽光発電所の保守・管理を手掛けるが、蓄電池の保守は、BYDと保守契約を結ぶサンテックパワージャパンへ委託した。なお、BYD製の直流接続蓄電池の日本への導入は今回が初めてとなる。