第一生命、オフサイトPPA締結 太陽光22基から調達へ
保険大手の第一生命保険は2021年9月24日、新設する太陽光発電所からPPAで再エネを調達すると発表した。使用電力の100％再エネ化を目指す構えだ。（本誌・中馬成美）
第一生命保険（稲垣精二社長）は、クリーンエナジーコネクトと22年2月から約20年に及ぶ長期のPPA（電力売買契約）を締結した。クリーンエナジーコネクトが開発する22基、計2MWの太陽光発電所で発電した再生可能エネルギー電力を電力小売りのオリックスを介して調達する。新設する22基はすべて低圧太陽光発電所で、環境省の補助金を活用する。
同社は、使用電力の100％を再エネで賄う『RE100』を掲げ、外部に貸し出す賃貸物件は21年度までに、同社全体としては23年度までに、それぞれ達成する方針だ。今回の契約では都内保有ビル3棟に再エネ電力を供給する。RE100の達成要件では、賃貸ビルは共用部の電力のみが再エネ化の対象ゆえ、同社は契約で調達した再エネ電力をビルの共用部で活用する。
同社は21年度より関東地方の自社ビル16棟を対象に屋根に太陽光発電設備を設置するオンサイトPPA方式での再エネ電力調達について具体的な検討を開始した。太陽光発電設備の設置とPPA方式の再エネ電力供給はリニューアブル・ジャパンが行う。
第一生命保険会社不動産部ファシリティマネジメント課の堀雅木ラインマネジャーは、「今後も新たに再エネを創出する〝追加性〟に取り組んでいく。どのように再エネを調達するかも、非常に重要なことだ」とPPA活用の意義を語る。
一方、同社はESG（環境・社会・企業統治）投資に積極的に取り組んでおり、社会的な課題解決への貢献と投資効果の両立を図るESG投資の一種、「インパクト投資」を進めている。再エネ関連では、19年にベンチャー企業のチャレナジーに2億円投資したほか、今回協業したクリーンエナジーコネクトにもベンチャーファンドを介して出資している。こうした動きは再エネ業界にとって追い風になるはずだ。
