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テュフラインランド 稼働中の太陽光発電所向け新サービス開始

定書のイメージ。日本語表記への対応も予定している

第三者検査機関のテュフラインランドジャパン(横浜市、トビアス・シュヴァインフルター社長)は2021年12月14日、稼働中の太陽光発電所向けの評価サービスを開始すると発表した。中古売買時の技術DD(=デューデリジェンス、適正評価手続き)への活用を想定し、費用を抑えた。主に発電事業者にサービスを提供していく。

同社がこのほど始めた『太陽光発電所パスポート認定サービス』は、予測値と実績値の比較評価などを行う発電量評価、発電実績や機器の稼働状況などを分析する発電性能評価、熱画像診断を含む目視による現地検査、完成図書やO&M(管理・保守)報告書などを確認する関連資料評価の4項目から稼働中の太陽光発電所を評価し、リスクなどを洗い出す。評価後は結果を報告書にまとめ、独自の認定書も発行する。

第三者検査機関である同社は06年から日本での太陽光関連サービスを開始。太陽光パネルなど関連機器の認証業務にとどまらず、発電量評価や完工後検査といった技術DD関連サービスや発電所の総合認証など太陽光発電所を対象とした評価サービスも提供してきた。国内における太陽光発電所評価サービスの累計実績は9.5GWに及ぶ。

同社製品部太陽光発電・産業機器課の浅見拓朗セクションマネジャーは、「当初は稼働前の太陽光発電所向けに提供することが多かったが、ここ数年は稼働済み太陽光発電所向けの比率が増えている」と話す。ただ、評価後に提出する報告書は技術的な記述も多く、知見がなければ理解しにくい部分もあるようで、「もう少しわかりやすい形で評価書が欲しいという要望もあった」(浅見セクションマネジャー)。

そこで同社は報告書とともに、認定書を発行する今回の新サービスを開発した。認定書は前述の4項目の評価結果を簡易的にまとめたもので、「技術的な知見がない人でもわかるようにした」(浅見セクションマネジャー)という。

今回のサービスの標準評価期間は3~4週間。発電所の状況によるものの、費用は稼働済み発電所向けの技術DD関連サービスをフルパッケージで行った場合と比べて3割ほど安価なようだ。

同社は新サービスを発電事業者向けに提供していく方針だ。中古売買時のほか、発電所の運用状況の第三者評価などにも活用できそうだ。

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