山梨県、森林伐採の太陽光発電所建設を禁止
山梨県は地上設置型の太陽光発電所に関する条例を2021年10月に施行し、森林伐採の伴う区域での建設を禁止した。稼働済みの発電所には22年1月以降、発電事業者に設置届の提出などを義務づける。
県は、森林伐採の伴う区域や土砂災害が発生する恐れのある区域などを『設置規制区域』とし、同区域内の太陽光発電所の新設を原則禁止した。営農用太陽光発電を含めた出力10kW以上の地上設置型はすべて対象とした。知事の許可を得た場合のみ設置を認めるが、FITの認定を取得していても、21年10月1日時点で未着工の案件には条例を適用する。
県は稼働済みの太陽光発電所も条例の対象とし、県内に太陽光発電所を設置したすべての発電事業者に設置届の提出と、維持管理計画書の作成・公表を義務づける。設置規制区域で運営している事業者には維持管理計画書の作成・公表のみならず、県への提出まで求める。
県内には約1.1万件に及ぶ地上設置型の太陽光発電所があるが、「森林を伐採して建設されたものが多く、住民から安全性や景観の影響を不安視する声が多い」(山梨県環境・エネルギー政策課の中澤一郎課長)ようだ。
県は独自のガイドラインを設けて事業者へ指導してきたが、効力がなかったため、20年8月より有識者会議を開いて条例を策定し、21年7月に制定した。
県は今後、再エネの普及拡大に向け、屋根上の太陽光発電や、豊富な水資源を活かせる小水力発電などを推進していく方針だ。