キョーラク、水上太陽光発電所の太陽追尾機構を開発
プラスチック容器製造のキョーラク(東京都中央区、長瀬孝充社長)は、自社製の水上太陽光発電用フロート架台を用いた水上太陽光発電所に太陽追尾機能を付加する技術を開発した。個々の架台ではなく、発電所全体を回転させる。自社の太陽光発電所で実証試験を開始し、1年程度の運用を経て商品化する。
同社は2014年に、自社のプラスチック容器製造技術を生かし、フロート式架台『ミナモソーラーシステム』を発表。18年末時点で、累計導入実績は50MWにのぼる。追尾機構の開発経緯について、同社成形事業部3課の上田泰睦課長は、「水上に浮くフロート架台は小さな力でも動かしやすい。今回の追尾式システムで競合他社との差別化を図る」と語る。
追尾機構は、発電所の外周に巡らせたワイヤを沿岸部に設置したモーターで引いて発電所全体を回す仕組み。発電所の中心部に軸となる構造物を備えている必要があるため、既存の発電所に即座に導入することはできない。
同社は今春に追尾機構を搭載した出力340kWの水上太陽光発電所を開発。可動機構の実証試験を重ね、「シミュレーション上は発電量が25%増える」(上田課長)という。並行して開発中の太陽追尾用のソフトウェアが間もなく完成するため、今秋にも本格的な試験を開始する。製品化は来年秋以降の見込みである。