中タオケイ、産業用蓄電設備発売
中国の遠隔監視装置メーカー、タオケイ(陸劍洲社長)は今年7月、太陽光発電所向けの蓄電設備を発売した。子会社のタオケイエナジーを通じて、大幅な過積載設計を施した案件などに提案していく。
PCS(パワーコンディショナ)が変換し切れない分の電力を蓄電設備にためて夜間に売電すれば、売電収入が増える。従来蓄電設備が高額だったために導入は進んでいないが、経済メリットが生じるまで価格低減が進んだ模様だ。
同社はたとえばPCSの出力が49.5kWで、太陽光パネルの合計出力が300kWの低圧太陽光発電所であれば、蓄電容量750kWhの蓄電設備を4300万円程度、kWhあたり6万円弱で提案する。パネルの搭載量や日照条件に応じて最も経済的な蓄電容量を計算して勧める。自社製の遠隔監視装置で収集した発電量データをシミュレーションに活かす。
蓄電池世界大手、中CATL製のリン酸鉄リチウムイオン電池を採用した。CATL製の蓄電池は「安全性が高い」(タオケイの烏鵬飛取締役)という。
烏取締役は、「高圧太陽光発電所を建設する予定だったが、系統の空き容量がないため低圧過積載になった案件が少なくない。特に九州に多い」と話す。こうした案件では今後出力抑制が頻発する可能性があることから、一定の需要があると見ている。同社は既設、新設発電所問わず提案していく方針だ。