ファイバーゲート、太陽光+蓄電池搭載の賃貸住宅建設
居住者に定額制の電力料金メニュー提供
通信事業を手掛けるファイバーゲートはこのほど、埼玉県川口市に太陽光発電や蓄電設備を設置した賃貸住宅を建設した。蓄電設備を活用しながら太陽光電力を各住戸に供給する点が特徴で、定額制の電気料金メニューも設定した。2022年3月から入居を受け入れる予定だ。
同社は埼玉県川口市に3階建の賃貸住宅を建設した。建築主は子会社のFGスマートアセット。総戸数は12戸で、間取りは1LDKや2LDKからなる。IoT(モノのインターネット化)端末を導入し、スマートフォンアプリなどから鍵を開閉できるスマートロックや赤外線リモコン機能などを搭載。災害時などの通信遮断時に自動で衛星通信に切替わる設備も導入した。
同住宅には太陽光パネル出力30kWの太陽光発電設備と蓄電容量86.3kWhの蓄電設備を設置。太陽光パネルはカネカ製、蓄電設備は荏原実業パワー製を採用した。太陽光発電設備で発電した電力は蓄電設備を使いながら各戸を含む構内で消費する。不足分は低圧一括受電による電力を供給する。
猪又將哲社長は、「太陽光発電設備の自家消費分で電力消費量の3分の2を賄える見込みだ」としたうえで、「まずは効果を実証していきたい」と語る。
入居者に対しては、インターネットやWi−Fi通信の無料サービスに加え、太陽光発電設備を活かした電気料金定額サービスを提供する。最大200kWhまで2200円の定額とし、それを上回る場合はkWhあたり28.6円を加算する。猪又社長は、「家賃は周辺の相場と比べて1万円ほど高いが、通信費や電気料金と合わせればメリットを出せるはずだ」と話す。3月19日から入居を受け入れる予定で、少なくとも2部屋が契約済みだという。
各室内に温・湿度や騒音などを測定できる各種センサを取り付けたほか、敷地内に防犯カメラを14台設置するなど、「管理者のことも考えた賃貸住宅だ。建築主や管理会社などにも提案したい」と猪又社長は意気込む。