国交省、脱炭素化に向け航空法等改正へ
政府は2022年3月1日、航空の脱炭素化を進めるため、航空法と空港法などの改正案を閣議決定した。航空会社や空港管理者に再生可能エネルギーの導入や省エネルギー化を促す。特例措置を設け、国が持つ空港の未利用地に再エネを導入できるようにする。
今回、空港施設の再エネ化を図るため、航空会社や給油事業者、ターミナルビル事業者、再エネ事業者が協議する『空港脱炭素化推進協議会』を設置する案を盛り込んだ。
国土交通省は『航空脱炭素化推進基本方針』を定め、航空運送業者は航空機の二酸化炭素削減計画として『航空運送事業脱炭素化推進計画』を、空港管理者は空港施設の二酸化炭素削減計画として『空港脱炭素化推進計画』をそれぞれ作成するよう促した。さらに空港脱炭素化推進計画の事業には、国が保有する土地や施設を30年間借りられる特例措置を設け、空港や施設周辺の駐車場や建物への再エネ導入を進める。
国交省航空局航空ネットワーク部空港計画課の福田俊計画係長は、「脱炭素化への取り組みを、政府は初めて航空法と空港法に位置づけた」と語る。
国交省はかねてより、空港の脱炭素化を進めてきた。21年10月には空港管理者や再エネ企業、自治体などが参加し、官民連携のモデル事業を形成する『空港脱炭素化プラットフォーム』の運営を開始。22年3月時点で企業、空港関係者、自治体など284の団体が参加し、随時参加者を募集している。福田係長は、「国際空港はすでに脱炭素化を進めている。航空局はガイドラインの策定やプラットフォームの運用を通じ、地方空港も含めて支援していく」と方針を語った。