台風に備えよ 経産省が注意喚起
経済産業省産業保安グループ電力安全課は2020年6月1日、太陽光発電設備が飛散・倒壊する事故の発生を防止するための対策を台風期前に講じるよう、発電事業者に注意喚起を行った。19年も同様の呼びかけを実施したが、今回は留意事項に水上太陽光発電所の点検を加えた。
近年、大型台風による太陽光発電設備の飛散・倒壊事故が多発している。経産省は、発電事業者に、設備点検の強化を要請しつつ、浸水事故が発生した場合の感電事故防止に注意するよう呼び掛けた。太陽光発電関連の業界団体や施工業者の団体ほか、電気主任技術者を有する保安管理団体等を通じ、周知徹底を図る。具体的な留意事項として、架台・基礎の強度の確認や、接合部のゆるみや錆、破損ほか、柵塀やケーブルの損傷の確認を挙げた。
O&M(管理・保守)を手掛ける武村産業の武村仁社長は、「台風期を前に、ネジにゆるみが生じていないかすべて確認してほしいという依頼は少なくない」と話す一方、「なおざりにしている発電事業者も多い」と話す。仮に他者へ危害を加える事態が起きた場合、刑事責任や民事責任が生じる恐れもある。発電事業者は注意が必要だ。
経産省は、19年も同様の注意喚起を実施したが、9月に千葉県市原市にある山倉ダムの水上メガソーラーで強風によりフロート架台が飛散し、火災に発展した事故を受け、今回、水上太陽光発電設備におけるアンカーとの係留部やフロート間の接合部の損傷ほか、フロート自体の劣化を確認するよう、留意事項に加えた。