旭化成ホームズ パネルの施工システム開発
AIで省力化
旭化成ホームズ(東京都千代田区、川畑文俊社長)はこのほど、親会社の旭化成と住宅の屋根に設置する太陽光パネルのボルト締めをAI(人工知能)で判定する独自の施工システムを開発した。施工の品質を高めつつ、省力化を図る狙いだ。
システムは、ボルトを締める際に発する超音波を用いて適正な締結音に達した時点でボルト締めを自動停止する機能を持たせた工具を使い、施工記録をデータベース化するというもの。ボルト締めを行うインパクトレンチのバッテリーアダプタ内部に独自開発の基盤を格納し、AIによる適正なボルトの締結音の判定モデルを基に現場の締結音と比較照合する。さらにAI音声対話アプリを用いて、施工者や施工日時、施工場所、適正に締結したボルト数をクラウド上に記録させる。
同社は特許出願中で、試験運用を経て22年下期以降、自社物件の施工を中心に全国的に導入する方針だ。
同社の鉄骨住宅『へーベルハウス』では太陽光発電設備を含め、接合部に多数のボルトが使用される。同社はこれまで検査員の目視検査で品質を確保してきたが、同システムで検査を省略する。確認作業は3分の1程度に軽減されると試算しており、生産性を高める狙いだ。
同社施工本部施工技術部の吉田耕司部長は「台風によるパネルの飛散事故などが相次ぐなか、施工の品質が問われている。まずは品質の確保を入念に検証したうえで、システムを現場に導入し、省力化を進めていく」と述べた。