NTN、災害対策向け再エネ独立電源開発
軸受メーカーのNTN(大阪市、大久保博司社長)は5月31日、再エネを利用した独立電源設備を開発したと発表した。20フィートコンテナに、太陽光・風力・水力発電設備を搭載し、移送できる形にした。災害現場での活用を想定し、自治体からの引合いを見込む。
同社が発表した電源設備は、出力0.9kWの太陽光発電設備と、同0.5kWの小型風力発電設備、さらに同1kWの小水力発電設備と、容量8.6kWhの蓄電設備を搭載する。観音開きの扉の内側に風力発電設備や水力発電設備を付属させ、扉を開けて外向きに固定するなどの簡単な工程で設置できる。
開発に携わった自然エネルギー商品事業部技術部の赤川充主査は、「当社では小型の風車や水車を製造してきたが、FITにおける小型風力発電の区分が撤廃され、新たな市場を模索した」と経緯を説明する。災害現場での自家消費用の需要があると考え、輸送しやすいコンテナを用いた設備を検討したという。
このほど発表したものは、基本的な設備をすべて盛り込んだコンセプトモデルだが、注文に応じて発電設備の種類や規模は調整する。設置作業を簡便にするために改良を重ね、今年10月頃から納入を始める方針だ。
同社は自動車のベアリングやシャフトの製造を主力事業とし、2016年に小型風車や水車の製造を始め、風力発電と太陽光発電を用いた独立型の街路灯を発売。これまで200基販売した。