オムロン 大容量継電器発売
住宅用蓄電設備向け
大容量継電器『G9KB』
オムロンは2022年5月11日、住宅用蓄電設備などに使う継電器の販売を開始した。直流600V／50Aの大容量品で、設備の小型化に寄与する。
大容量品のメリットは継電器の設置面積を減らせること。同機能の継電器の場合、4個必要になるが、同社の新製品は1個で済むため、基板の床面積を約75％削減できる。
同社は磁場の力を使う独自のアーク遮断技術で製品を開発した。一般の継電器では直流電流のオン・オフ時に発生するアークによって接点が溶着する不具合が生じ、継電器自体が故障する恐れがある。それゆえ大容量品にすると、アークを考慮した設計にしなければならず、継電器のサイズが大きくなる。しかし、同社は独自技術で接点の損傷を抑えつつ、安全にアークを遮断できるため、サイズを大きくすることなく大容量の継電器開発を実現した。大阪大学と連携してアークの三次元シミュレーションを行い、同技術を確立した。
同社は蓄電設備が大容量化、高出力化していることを受けて開発に着手した。設備に使用する継電器が大きくなったり、搭載する数が増えたりすることで設備が大型化し、普及の妨げになることを懸念した。
24年度末までに同製品で累計4億円を売り上げる目標を掲げる。蓄電設備以外にも、V2H（車から家庭への電力供給）設備やEV（電気自動車）用急速充電器などでの採用を見込む。︎