FIT・FIP入札の22年度第1回結果
いずれも募集容量に届かず
電力広域的運営推進機関は2022年6月17日、22年度第1回目となるFIT及びFIP(フィード・イン・プレミアム制度)の入札結果を公表した。いずれも募集容量を下回る結果となった。
今回が初となるFIP入札では、出力1MW以上の太陽光発電所を対象に計175MWを募集した。入札参加資格の審査のために提出された事業計画は13件181MWで、入札参加資格を得たのは12件179MWといずれも募集容量を上回ったものの、実際に入札したのは5件128.9MWにとどまった。入札した案件は全て落札した。
上限単価はkWhあたり10円で、最低落札単価は9.85円、最高落札単価は9.90円、加重平均落札単価は9.87円だった。
一方、250kW以上1MW未満の太陽光発電所を対象に50MWを募集したFIT入札では、55件34.1MWの事業計画が提出され、52件32.8MWが入札参加資格を得た。そのうち39件24.7MWが応札し、全て落札した。事業計画の提出段階から募集容量に届かなかった。
上限単価はFIPと同じくkWhあたり10円で、最低落札単価は9.80円、最高落札単価は10円、加重平均落札単価は9.93円だった。
いずれの入札も募集容量を下回る結果となった。市場ではオフサイトPPA(電力売買契約)や自己託送制度の活用も視野に入れた非FIT発電所開発が活況だが、売電単価の水準や卸電力市場の動向、資材高騰の影響などを見極めるべく慎重に建設時期を探っている開発業者やEPC(設計・調達・建設)企業も珍しくない。PPAではFIPを併用できるが、回を重ねるごとに下がる上限単価とともに、保証金の納付や運転開始期限の設定などを考慮する必要もある。様々な要因が絡んだ結果、低調に終わったのだろう。
なお次回の入札の募集容量は初回と同じでFIP対象分が175MW、FIT対象分が50MWとなる。事業計画の提出を6月27日から7月15日まで受け付け、審査や応札などを経て、8月26日に落札結果を公表する予定である。