あいおいニッセイ、ウエストHDと資本提携
自治体など脱炭素支援で連携
MS&ADホールディングス傘下のあいおいニッセイ同和損害保険(東京都渋谷区、新納啓介社長)は2022年6月1日、太陽光発電所開発のウエストホールディングスと資本業務提携を結んだ。自治体など地域の脱炭素化を支援していく。
両社は、自治体や中小・中堅企業などへの脱炭素化を支援するメニューや商品を開発する。自治体には、啓発活動やコンサルティングのほか、遊休地や公共施設などへの再生可能エネルギー関連設備の導入を支援する。中小・中堅企業には、金融機関や保険代理店を通じて情報を提供しつつ、自家消費用太陽光発電設備などを提案する。このほか、再エネ関連の保険商品やサービスなどを共同で開発する方針だ。
また、両社は同日付で資本業務提携契約を締結し、あいおいニッセイ同和損保がウエストHDの発行済み株式の一部を取得した。株の保有率は1%未満とみられる。
あいおいニッセイ同和損保金融法人第二部営業課の古賀俊輝担当課長は、「通常の業務提携でも一定の情報共有は可能だが、地域の脱炭素化支援では実効性やスピード感が必要なので、一歩踏み込んだ資本業務提携を交わした」と説明する。
両社とも地域で事業を展開しており、22年4月末時点であいおいニッセイ同和損保が404、ウエストHDが111の自治体と協定を締結している。
あいおいニッセイ同和損保マーケット開発部地方創生戦略室の河合亮介室長が「ウエストHDは再エネの知見を持ち、SDGs(持続可能な開発目標)の達成にも積極的なので協力できることが多い」と話せば、ウエストHDの荒木健二取締役は「金融機関や自治体と連携を深めるには単独では限界がある。SDGsやGX(グリーントランスフォーメーション)にも強いあいおいニッセイ同和損保と提携することで相乗効果を生み出したい」と期待する。
今回の提携に先立ち、あいおいニッセイ同和損保は4月からウエストHDグループに社員1名を出向させている。ウエストエネルギーソリューション戦略本部の野村克之部長は、「年度内に30自治体と連携できれば」と語った。