リョーキエナジー、PCS故障予知設備発売
リョーキホールディングス100%子会社のリョーキエナジー(石川県金沢市、北川雅一朗社長)は2022年5月12日、PCS(パワーコンディショナ)の故障の予兆をAI(人工知能)で検出する設備を製品化したと発表した。発電事業者やO&M(管理・保守)企業などに初年度40台の販売を目指す。
同社はシステム開発のアルティマトラストと共同で、専用の計測器で取得したデータからAIで故障を検知・予知する独自のシステムを開発した。PCSに改造を施さないよう計測器を設置し、電流や振動、温度を24時間365日監視してデータから故障を予知する仕組みである。
リョーキエナジーの西田勇介副社長は、「自社発電所のPCSが故障して復旧に時間を要し、損害を被ったことが開発のきっかけ。故障の予兆を検知できれば、売電機会の損失を回避できる」と語る。
同社は製品化に向け、石川県七尾市に保有する直流出力計1.75MWの太陽光発電所で実証実験を行った。出力375kWのTMEIC(東芝三菱電機産業システム)製PCSに計測器を設置し、データを取得している。
販売価格は検討中だが、1台50万円程度と想定している。初年度は50台製造し、10台は自社の太陽光発電所に設置する。製品名は『AiPCSi』。
リョーキエナジーは13年9月の設立後、メガソーラーの発電事業を手掛けてきた。開発実績は累計12ヵ所、計44MWである。