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オリックス子会社、ドローン診断開始

ドローン空撮業者の全国ネットワークも構築済み

太陽光発電所のO&M(管理・保守)やAM(資産管理)を手掛けるオリックス・リニューアブルエナジー・マネジメント(=OREM、東京都江東区、佐藤厚範社長)は2020年8月11日、ベルギーのドローン空撮・解析用ソフトウェア大手のサイトマークと提携し、太陽光発電所の診断サービスを開始すると発表した。発電事業者やO&M企業に提供していく。

同社が始めたのは、可視光カメラと赤外線カメラを搭載したドローンで太陽光パネルを空撮し、撮影した画像をソフトウェアで解析、空撮データの取得から最短15営業日で診断結果を報告するサービス。オプションで改善提案や修繕にも対応する。

ソフトウェアにはAI(人工知能)が搭載されており、太陽光パネルの異常を種類ごとに自動で分類できる。ホットスポットやジャンクションボックスの異常発熱、バイパスダイオード不良のほか、鳥害や雑草の影によるパネル温度上昇といった異常を正確かつ迅速に見つけ出せるという。O&M業務の省人化や効率化のほか、修繕などによる売電収益の向上に繋がりそうだ。

ソフトウェア開発のサイトマークは、世界39ヵ国で約2000回、計7GWの太陽光発電所にドローン診断を提供してきたという。

OREMは、オリックスグループの太陽光発電所のうち86ヵ所450MWでO&MやAM業務を受託しており、サイトマークのソフトウェアも採用している。たとえば、18年度にドローン診断した福岡県大牟田市の14MW発電所では1000ヵ所以上の異常を検知し、草刈りや洗浄、パネル交換を実施。売電収益が増え、診断や修繕費を約20日で回収したうえ、翌年度の診断の異常検知数が219ヵ所に減少したという。

OREMの百合田和久戦略責任者は、「当社が業務を受託している太陽光発電所で19年度にドローン診断を行い、改善した結果、PR(パフォーマンス・レシオ=理想発電量に対する実発電量の割合)値が約4%向上した。有効性を確認できたので、スポットサービスとして提供することにした」と語る。主に発電事業者やO&M企業向けのサービスで、定期点検時のほか、運転開始時や転売時などにも活用できそうだ。

なお1回の費用は、パネル容量1~9MWがkWあたり295円以下、10~29MWが同100円以下、30~59MWが同85円以下、60MW以上が同75円以下。一定の日射量が必要なため、空撮可能期間は4月から10月までとしている。

診断結果画面では異常を点で表示する

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