三井住友海上 、インバランス保険発売
FIP活用発電所向け
三井住友海上火災保険(東京都千代田区、舩曵真一郎社長)は2022年7月、FIP(フィード・イン・プレミアム制度)を活用した再生可能エネルギー発電所のインバランスリスクを減らす保険を商品化した。発電量予測の際に発生するインバランス費用を補填する。発電事業者やアグリゲータへの拡販を狙う。
FIPで開発した再エネ発電所の事業者には〝計画値同時同量〟が義務づけられており、実績値と差分が発生した場合はインバランス料金の支払いが課せられる。発電事業の収益性が低下しかねないため、同社はこのリスクを低減する保険を商品化した。
同社は、再エネ発電所の規模や発電量予測の実績を踏まえ、保険料を数十万円~数百万円に設定しつつ、発電事業者や発電側BG(バランシング・グループ)を束ねるアグリゲータが1年間で支払ったインバランス費用から自己負担額などを差し引いた金額を補填する。契約期間は1年間で、保険金の限度額は数千万円程度としている。
同社ビジネスイノベーション部エネルギー統括の川上将人部長は、「FIPを活用した発電所では、アグリゲータが発電量予測を行うため、主にアグリゲータと契約を結ぶ保険になりそうだ」と語る。
一方、同社東京企業第一本部総合営業第一部東芝室の森洋平課長代理は、「保険に加入すれば、事業者は発電所開発の際に銀行から融資を受けやすくなるというメリットもある」と話す。
同社は21年12月から22年3月までFIPを活用した再エネ発電所のインバランスリスクを低減する実証実験に参画。実証実験を通じて一定の収益性を見込んだため、このほど販売開始へ踏み切ったという。