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エネオスら、合弁で再エネPPA会社設立

石油元売り最大手のエネオス(東京都千代田区、齊藤猛社長)は2022年9月1日、鈴与商事、静岡ガスと合弁会社を設立したと発表した。静岡市内の住宅や店舗とPPA(電力売買契約)を結び、太陽光発電設備を導入する。再生可能エネルギー電力の〝地産地消〟で協業し、地域脱炭素化を進めていく。

環境省の脱炭素先行地域に選定された静岡市は、清水駅東口エリアで民生部門の使用電力をすべて再エネに転換する事業を計画。新会社はその事業に寄与する。

新会社は発電設備を所有しつつ住宅や店舗のオーナーとPPAを結んで電力料を徴収する。主に鈴与商事や静岡ガスはPPAの提案や料金の徴収を代行し、特定送配電事業者であるエネオスは客先の余剰電力を新会社経由で集め、環境価値付き電力として清水駅東口エリアに供給する。

設立の経緯について、エネオスリソーシズ&パワーカンパニー電気事業部コミュニティ事業開発グループの田川秀夫グループマネージャーは、「地域脱炭素化に向け、地域と繋がりの強い鈴与商事さんや静岡ガスさんと手を組んだ」とし、「EPC(設計・調達・建設)やO&M(管理・保守)は、地元企業を中心に別途協力企業を選定する」という。

エネオスは清水駅東口エリアに保有する約42k㎡の油槽所内に出力約3MWの太陽光発電設備と蓄電容量約7700kWhの大型蓄電設備や水素製造装置、水素ステーションを導入し、小規模電力網(マイクログリッド)を構築する。さらに新会社を通じて集めた再エネ電力で不足分を補い、24年4月にはエリア内の油槽所、病院、文化施設に再エネ電力を供給する仕組みを築く予定だ。

新会社の名称は『清水ソーラーエナジー』。エネオスが50.1%、鈴与商事と静岡ガスがそれぞれ24.95%出資した。

 

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