ダイヘン、産業用再使用蓄電設備を発売
設備費3割減
EVの使用済み蓄電池を使った産業用蓄電設備
PCS（パワーコンディショナ）製造のダイヘンは2022年9月、産業用蓄電設備を新発売した。EV（電気自動車）の使用済み蓄電池を活用して現行品より3割程設備費を低減した。初年30案件の受注を目指す。
同社は、出力50kWで、蓄電容量が100kWhと200kWhの2機種を発売した。日産自動車製のEV、『リーフ』の使用済み蓄電池を採用する蓄電池製造のフォーアールエナジーから蓄電池を調達して製品化した。
ダイヘンEMS事業部の松永耕治SE部長は、「EV用の蓄電池なので耐候性に優れている。エアコンではなくファンで冷却する仕様ゆえ、電力代を大幅に抑えられる」と特徴を語る。
ただ、現行品より設置面積が3割大きいため、設置場所が限定されるほか、再使用品ゆえ寿命が短いようだが、松永SE部長は「充放電速度を抑えたことで、通常の使い方であれば10年から15年は使用できる」と言及する。
同社は21年度に製品の開発に着手した。すでに太陽光発電設備や蓄電設備、V2X（車からの電力供給）設備などに独自開発した小型のEMS（エネルギー管理システム）を搭載して各設備を最適制御する仕組みを構築、今回の新型蓄電設備にも小型EMSを標準で搭載した。
フォーアールエナジーから蓄電池を調達