湘南電力、黒字転換へ
売上高30億円横ばい
電力小売りの湘南電力(神奈川県小田原市、原正樹社長)は2022年12月期決算で売上高が30億円と横ばいの模様だが、増益となる見込みだ。電力の市場調達率を下げて調達費を抑え、黒字化を実現できそうだ。
湘南電力は14年の設立後、神奈川県内で電力を販売してきたが、電力市場価格の高騰を受け、21年12月期には赤字を計上した。そこで同社は販売量を抑えつつ、21年に40%だった電源の市場調達率を18%まで下げるなど、収益構造の改革を進めていたという。
ただ、住宅用PPA(電力売買契約)は拡販していく方針だ。PPAでは、電力と機器の利用料金を徴収する定額制と、使用電力量に応じて料金を徴収する従量料金制を用意。従量料金制では余剰電力を買取ることで市場調達率を抑えられる側面があるからだろう。
同社企画部長兼業務部長の山崎剛一事業統括部長は、「18%は、子会社が保有するFIT太陽光発電所などから特定卸供給で調達している」としたうえで、「再生可能エネルギーの導入に積極的な自治体が多く、PPAの需要は今後増えていく。年間500kWが目標だ」と話す。
同社は18年に住宅用PPA事業を開始、累計約140件、500kW程の実績を持つ。22年9月には三菱自動車との協業を発表。PPA利用者にEV(電気自動車)などを紹介する。