日立、TSネットワーク物流施設の脱炭素化と業務効率化を支援
日立製作所は2022年9月29日、JT(日本たばこ産業)物流子会社のTSネットワークの脱炭素化と業務効率化を支援すると発表した。30年までの計画を策定し、物流施設運営の経済合理性を追求する。
日立はIoT(モノのインターネット化)技術基盤の『ルマーダ』を活用し、TSネットワークの物流施設の二酸化炭素排出量を可視化したうえで、再生可能エネルギーの導入可能量やEV(電気自動車)の効率運用を分析。EV充電器の最適配置や電気トラックによる配送の最適化などを支援する。
TSネットワークは東京都内の『羽田流通センター』と大阪府内の『大阪支店』にEVの3tトラックをそれぞれ1台ずつ導入した。構内で試走し、荷物を積まずに走行距離を計測しつつ段階的に運用していく。
日立は22年10月から3ヵ月間、TSネットワークの施設に導入されたEVの走行距離や蓄電残量を計測し、施設8ヵ所の耐荷重や耐震性を評価して太陽光発電設備や蓄電設備の設置可能量を探る。そのうえで、施設1ヵ所を選定し、23年に太陽光発電設備と定置用蓄電設備を導入する。
発電量や施設内の消費量を計測し、施設で使用する電力を最適化しつつ、段階的にEVの導入量を増やし、30年までにTSネットワークが保有する車の25%をEVに置き換え、脱炭素化と業務効率の改善を図る。
日立製作所営業統括本部デジタルシステム&サービス営業統括本部公共システム営業本部の山口雄大主任は、「24年以降は再エネの余剰電力を活用し、物流施設間で再エネを賄う自己託送を検討している」とし、「今回の案件が成功すれば、他の企業にも脱炭素化と業務効率化の支援を展開したい」と語る。