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マップル 集合住宅向けEMS提供開始

昭文社ホールディングスの子会社で、地図情報を販売するマップル(東京都千代田区、大日方祐樹社長)は2022年10月31日、集合住宅向けにEMS(エネルギー管理システム)の販売を始めた。住宅メーカーなどと協力して集合住宅の所有者へ提案していく。

同社はベンチャー企業と協業を進めるなか、21年7月に電力変換器製造のヘッドスプリングと資本提携を交わし、集合住宅用のEMSを開発した。具体的には、気象情報や太陽光パネルの発電実績、各住戸の電力消費実績をもとに、発電量と需要量を予測し、蓄電設備の最適な運用計画を作成して蓄電設備を制御するというもの。同社によると、EMSによって蓄電設備を1000分の1秒から100分の1秒単位で制御できるため、負荷変動を低減でき、電力需要のピークカット効果があるという。

同社らは、低圧電力を一括受電する新築の集合住宅の所有者に蓄電設備とEMSを販売し、EMSで蓄電設備を運用することで客先の電力代を削減する。

同社事業企画本部長の宇津井聡史取締役は、「集合住宅のオーナーは電力代の安価な物件として提案できるので、居住者を呼び込むことができる」と話す。

同社は、リン酸鉄系リチウムイオン蓄電池を搭載した出力5.9‌kWの単相ハイブリッド型蓄電設備を生産委託先から調達し、蓄電容量が5.8‌kWhと11.5kWh、17.3kWhの異なる3つの製品を用意する。

今回の協業について、ヘッドスプリングの岡島良樹取締役CIOは、「大容量の三相蓄電設備が抱える設置制約を解消できるようになる。単相に変換する際の電力損失がない」と話す。

なお、マップルは営業を担当し、ヘッドスプリングはEMSの運用などを行い、両社の共同出資で設立したマップル・ヘッドスプリングがEMSと蓄電設備を販売する。

集合住宅向けEMSの設置イメージ

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