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三菱総研 蓄電設備運用支援開始

三菱総合研究所は2022年11月14日、蓄電設備を運用するアグリゲータなどを支援するサービスを開始した。蓄電設備の運用による事業収益性や最適な運用計画を提示する機能を提供する。ウェブ上で利用できるよう利便性を高め、幅広い顧客の獲得を狙う。

変動性の再生可能エネルギー電源が普及するなか、充放電によって電力需給を制御できる蓄電設備の調整力が重宝されている。すでに調整力を送配電事業者と取引する市場が開設済みで、複数の蓄電設備を運用して収益化を図るアグリゲータなどが出てきた。

ただ、電力消費先の蓄電設備を運用する場合、電力消費者の利用事情にも配慮しなければならない。そこで同社は、蓄電設備の運用にあたってアグリゲータが最適な運用計画を導けるよう情報を提供するサービスを始めた。

利用者は、運用する蓄電設備の蓄電容量や充放電効率、設備費、維持費などの基本情報に加え、蓄電設備を保有する電力消費者先の電力消費量や電力代、太陽光発電設備の有無などの情報も入力する。そのうえで蓄電設備の調整力や供給力を取引する需給調整市場や容量市場などの入札情報を入れればよい。約5分から20分程で、電力消費者の電力代削減効果とアグリゲータの収益性を高める最適な蓄電設備の運用計画が1年分表示される。

条件毎にアグリゲータの事業収益も表示されるため、条件を変更して複数試算すれば、細かく比較することができる。サービスの利用契約は1年間である。

同社イノベーション・サービス開発本部エネルギー新事業グループ兼経営イノベーション本部電力・エネルギーグループの湯浅友幸シニアプロジェクトマネージャーは、「特徴は複数の事業用途に対応していること。追加メニューだが、予測誤差を加味した高精度なシミュレーションも可能なほか、系統用蓄電設備を用いた蓄電事業にも対応している」と特徴を語った。

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