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AGC、太陽光パネルの壁面設置工法を開発

ノザワと共同で

ガラス大手のAGCは2022年11月17日、壁材メーカーのノザワと太陽光パネルの壁面設置工法を開発したと発表した。まずは試験的な販売から始め、23年から販売を本格化する予定だ。

両社は、S造と呼ばれる鉄骨造の建物の壁面に太陽光パネルを設置する工法をこのほど開発。鉄骨造は事務所や商業施設などで多く採用されている構造だが、外壁材に太陽光パネルをそのまま取り付けると、地震発生時に揺れなどで破損する恐れがあったため、これまで設置は困難だった。新工法では、外壁材となる押出成形セメント板に太陽光パネルを取り付けるのだが、その間にある下地材に太陽光パネルが揺れに追従できる工夫を施したことで、地震発生時などにおける安全性を確保したという。現在、特許も出願している。

脱炭素化に取り組む企業が増加するなかで、太陽光パネルの壁面設置に対する需要も拡大している。そこで合わせガラスに太陽電池セルを挟んだ建材一体型太陽光パネルを販売してきたAGCと壁材メーカーであるノザワが連携し、独自の設置工法を開発したというわけだ。

ノザワ開発部第二商品開発室の森木伸也室長が「21年春から両社で協議を始め、夏には開発に着手した。安全性を確認するための試験も実施済みだ」と振り返れば、AGC建築ガラスアジアカンパニー日本事業本部新市場開拓部スマートガラスの山本耕平技術担当部長は「汎用の太陽光パネルを壁面に設置できる工法で、両社の知見を融合させることができた」と胸を張る。

新工法はまず低層から中層の新築建物向けに材工一体で提案していく方針だ。

新開発した壁面設置工法『アスロックレールファスナー太陽光パネル設置工法』の導入イメージ。窓には合わせガラスタイプの太陽光パネルを設置している

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