アップデーター、低圧非FIT電力買取り開始
沖縄・離島除く全国で
電力小売りのアップデーター(東京都世田谷区、大石英司社長)は2023年1月25日、FITやFIP(フィード・イン・プレミアム制度)の認定を受けていない低圧太陽光発電所が生み出す再生可能エネルギー電力の買取りを始めた。FIT再エネ電力の調達率を抑えることで、電力の調達価格を安定させる狙いだ。
同社は、特別高圧太陽光発電所や高圧太陽光発電所を対象に〝非FIT〟再エネ電力を買取っていたが、低圧太陽光発電まで対象を広げる。電力小売り会社が調達するFIT再エネ電力は実質、JEPX(日本卸電力取引所)のスポット価格と連動することから、同社はJEPX価格の高騰の影響を抑えるために、非FIT電力の調達先を増やす。
エリアごとに設定した固定の最低保証単価と、市場価格を参考に毎年変更する加算単価を設け、最低保証単価と加算単価で買取る。たとえば、東京電力管内では最低保証単価を8.0円とし、23年度の加算単価6.0円と合わせて1kWhあたり14円で買取る。なお同社は年度が変わる6ヵ月前までに加算単価を発電事業者に通知する。
同社は、沖縄と離島を除く全国の非FIT低圧太陽光発電所の発電事業者から発電量予測を請け負い、インバランスリスクを負う形で電力を調達する。新設だけでなく、既設の発電所からも買取る。
同社脱炭素事業本部パワーイノベーションチームの山口悠希氏は「低圧FITの全量売電が認められなくなり、売電単価が減額されるなか、ここ1年で発電事業者やEPC(設計・調達・建設)企業から非FIT電力の売電を望む声が多くなった」と語る。
発電事業者は、電力の売電収入に加え、希望すれば『応援金』と『約定プレミアム』を年に2回受け取れる。応援金とは、個人の電力消費者が応援したい太陽光発電所に1件当たり月100円寄付するもの。約定プレミアムとは、法人の電力消費者の使用電力量と指定した非FIT太陽光発電所の発電量を紐づけ、電力消費者がkWhあたり税抜き0.3円を発電事業者に支払う仕組みである。