ワタミ、岩手・陸前高田で営農用太陽光発電所稼働
地産地消を実現
外食大手のワタミは2023年1月26日、岩手県陸前高田市内で出力500kWの営農用太陽光発電所を稼働させた。発電した再生可能エネルギー電力を市内で消費する〟地産地消〟を実現した。
ワタミ100%子会社のワタミオーガニックランド(岩手県陸前高田市、清水邦晃社長)は、ワタミが陸前高田市に建てた商業施設『陸前高田オーガニックランド』内の7000㎡の土地に直流出力506kW、交流出力248kWの営農用太陽光発電所を開発した。設備導入費約1億円のうち、2分の1は環境省の『営農型等再生可能エネルギー発電自家利用モデル構築事業』の補助金を活用し、残りはワタミから3200万円、ワタミの電力小売り子会社、ワタミエナジー(東京都大田区、清水邦晃社長)から1800万円調達して工面した。なお太陽光パネルは京セラ製を、パワーコンディショナは中・ファーウェイ製を採用した。
ワタミオーガニックランドは、発電設備が生み出す再エネ電力の10%を施設内で消費しつつ、残り90%をワタミエナジーが需給管理業務を代行する陸前高田しみんエネルギーへ売電し、市内で消費していく。
ワタミオーガニックランド総合企画部の落合美樹雄部長は、「東日本大震災の被災地に陸前高田オーガニックランドを建設した。瓦礫が埋まっており、作物を栽培できないので、ブドウのポット栽培を始めた」とし、「23年からは収穫したブドウでワインを作りたい」と意気込む。
ワタミエナジーは電力事業の売上高の1%を再エネ投資に回す方針で、ワタミエナジー電力事業ユニット営業部の本多航主任は、「今回はグループ企業が手掛ける案件に投資したが、再エネの地産地消案件に対しては外部にも投資していきたい。バイオマス発電や小水力発電など対象を拡げつつ、投資回収の方法も検討していく」と語った。