太陽石油、EVシェアの実証開始
太陽光カーポート活用
石油元売りの太陽石油(東京都千代田区、岡豊社長)は2023年2月21日、太陽光発電設備を活用したEV(電気自動車)シェアリングの実証試験を開始した。太陽光パネル搭載カーポートの再生可能エネルギー電力でEVシェアリングの事業性を検証する。
同社は、愛媛県内の四国事業所敷地内に出力3.6kWの韓・ハンファQセルズ製の太陽光パネルを搭載したカーポートと、蓄電容量13.5kWhで出力5kWの蓄電設備に、出力3kWのEV普通充電器を設置。蓄電設備を介して再エネ電力を日産自動車製のEVに給電する仕組みを構築した。
実証事業では、太陽光発電設備由来の電力だけでEVの一般走行が可能かどうか検証する。EVを社用車として使用しつつ、太陽光発電設備の発電量や蓄電設備の蓄電容量のほか、EVの走行距離や電池残量などの情報を収集する。発電量が少ない場合の電源調達先も検討する。
同社は専用アプリを開発しており、23年10月にはアプリを活用した実証試験を始める。EVを愛媛県内の企業に貸し出し、アプリの動作や価格設定などを含めた事業性を検証していく予定だ。
同社販売統括部販売戦略グループの後藤達也主任は、「今回の事業は、ガソリンスタンドを経営する当社の特約店の新たな収益源となり得る事業として構想した」と経緯を話す。
同社は、事業化に際し、平日はEVを企業へ貸与し、休日には一般客へ貸し出すことを想定している。また100Vと200Vのコンセントケーブルを用意し、非常時には蓄電池から近隣住民の携帯電話などに給電できるようにするという。