イグアス、蓄電コスト10分の1へ
鉛蓄電池再使用を本格活
鉛蓄電池の再使用事業を手掛けるイグアス(神奈川県川崎市、矢花達也社長)は今年1月から住宅向けに再使用事業を本格化した。新品のリチウムイオン蓄電池の10分の1の価格帯で提供できるとしてPCS(パワーコンディショナ)メーカーなどに協力を募っている。
鉛蓄電池は、負極の鉛と電解質の希硫酸による硫酸鉛の発生・分解を応用して充放電する仕組み。ただ硫酸鉛の状態で長期間放っておくと硫酸鉛が結晶化し、分解できなくなるサルフェーションという劣化現象を引き超す。
同社はこのサルフェーションを電極から分離する技術を開発し、3年前からフォークリフトの鉛蓄電池を対象に再使用事業を開始。今年1月から住宅などの非常用電源向けに同事業を展開した。
使用するのは、ビルなどで非常用電源として使われていた鉛蓄電池で、フォークリフト用と異なり、メンテフリーで寿命が長い。
一般に、蓄電池の再使用は供給力の確保が課題だが、鉛蓄電池は歴史が古く、使用済み製品が出回っている。しかも同社はフォークリフト用で実績があり、同社MOTTA営業部の熊田学マーケティング本部長は、「使用済み鉛蓄電池を収集する事業者とのパイプがある。非常用でも年間5万kWh分の使用済み鉛蓄電池を調達できる見込み」と話す。
ただ、同社はあくまでも蓄電池の提供のみ。住宅用蓄電設備を開発するためには、PCSメーカーとの提携が必須となる。それだけに、同社はパートナー企業を探しており、PCSメーカーに限らず、様々な業種から問い合わせがあるようだ。