日立ハイテク、中国で太陽光提案
日立ハイテクノロジーズ(東京都港区、宮﨑正啓社長)はこのほど、中国で屋根上太陽光発電設備の提案を本格化した。日系企業に地元の太陽光関連企業を紹介して設備を設置し、電気代の削減を勧める。将来の電力融通事業などを見据え、提案を強める構えだ。
同社は2018年、中国で発電事業やEPC(設計・調達・建設)を手掛けるACC(アジアクリーンキャピタル)と提携。日立ハイテクが中国の日系企業にACCを紹介し、ACCが太陽光発電設備を施工して所有する第三者所有モデルを提供する。日立ハイテクは昨年10月よりサービスを始め、これまで日系企業20社に提案した。
日立ハイテクは数年前からインドで地元企業と同様の取り組みを開始。建設費が安く、日射量の豊富なインドではすでに十数社に約20MW設備を設置した。ただ、電気代を3割削減できるインドに比べ、中国は事情が異なるようで、同社エネルギー&セキュリティー部の小林亮部長代理は「最大でも電気代削減効果は1割程。インドよりも提案は難しい」と話す。
それでも小林部長代理は、「中国は屋根が広く、設置できるパネルの枚数がインドと比べ平均3倍以上になる。電気代の削減額は大きい」と期待を込める。同社は中国で21年末までに100MWの事業化を目指している。
一方、中国での提案開始と同時期に、同社は米国、タイでも同様の提案に着手。小林部長代理は、「日本企業の海外進出は、インド、中国、米国、タイで全体の8割を占める。まずはこの4ヵ国で実績を積み上げていきたい」と意気込む。