セキノ興産、太陽光売上微増へ
富山で販売好調も住宅用の単価低減で苦戦
太陽光発電設備を販売する金属屋根加工のセキノ興産(富山市、関野光俊社長)は、2019年7月期の太陽光関連売上高が前期比約10%増の9.5億円に達する見込みだ。富山県内で住宅用太陽光発電設備の販売件数が伸びた。今後は蓄電設備の提案を強める構えだ。
同社は今期、2月末までの7ヵ月間で住宅用太陽光発電設備を全国で約250件販売した。前期の430件を上回るペースで推移した。なかでも好調なのは富山県内での販売で、前期の200件に対して今期は2月末まで7ヵ月間で140件販売した。
富山で販売が伸びた要因は地元工務店との提携である。同社は16年に工務店2社に対して、太陽光発電設備を専属で扱ってもらう契約を締結。昨年は金属屋根も同様の契約を結び、相乗効果で太陽光発電設備販売が伸びている。
だが、太陽光発電設備は販売単価が下落しており、同グループで太陽光発電設備の販売を手掛けるセキノソーラーシステムの東谷内実取締役は「このままでは正直厳しい。今期の増収は、過去に受注した産業用太陽光発電所の案件開発が寄与した面もある」と話す。
同社は金属屋根の加工・販売で培った経験を活かして、2000年から太陽光発電設備の販売を開始。自社開発したパネル取付金具や金属屋根との複合提案を強みに、これまで全国で太陽光発電設備を約9900件販売した。そのうち3500件程の設備が20年末までにFITの売電期間を終える。
それだけに東谷内取締役は、「蓄電池販売を強めていく」と今後の方針を示している。