大東建託、京セラとPPA締結へ
ZEH賃貸住宅の再エネを販売
賃貸住宅管理の大東建託は2023年3月31日、子会社の大東建託パートナーズを介して京セラとPPAを締結すると発表した。管理するZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)仕様の賃貸住宅で創出した太陽光電力の余剰分を京セラに売り渡す。23年10月頃に供給を始める予定だ。
同社は23年4月、〝非FIT〟の太陽光発電設備を設置したZEH仕様の賃貸住宅を発売した。同社は賃貸住宅を建設しつつ、オーナーから物件管理を受託するため、管理先のZEH賃貸住宅で余る再生可能エネルギー電力を京セラに販売する。京セラと固定価格で20年間、環境価値付き再エネ電力を供給する契約を交わす。
同社技術開発部の岡本修司次長は、「20年以降は、状況に応じた柔軟な契約とする。物件の管理年数と同程度の電力供給になる見込みだ」と話す。
大東建託は17年よりPPAと組み合わせたZEH仕様の賃貸住宅を東京電力管内と中部電力管内で販売。子会社の大東建託パートナーズが屋根上の太陽光発電設備を保有し、再エネ電力を賃貸住宅の入居者へPPAで供給しつつ、不足分を低圧一括受電で調達した電力を販売してきた。
従来は余剰電力をFITを活用して売電していたが、このほど余剰電力もPPAで外販する仕組みを構築した。このスキームで初年度ZEH仕様の賃貸住宅を1万戸販売する計画である。
京セラエネルギーソリューション事業部営業企画開発部の杉山直人部責任者は、「当社は大東建託さんのZEH賃貸住宅に置く太陽光発電設備を施工してきた」とし、「今回のPPAで年間1900万kWh程度の再エネ電力を調達できるとみている」と語る。