川崎重工、事業所間の自己託送実証を実施
再エネ活用を視野に
川崎重工業は2023年3月2日、兵庫県内の事業所間で自己託送による電力供給の実証試験を実施したと発表した。今後は太陽光発電など再生可能エネルギー電力の活用を視野に入れ、自己託送支援を含めたサービスを提供していく方針だ。
同社は22年8月末に、兵庫県明石市の明石工場から同県播磨町の播磨工場に最大500kWの電力の自己託送を開始。明石工場にある出力約2.8万kWのガスタービン発電設備の電力の一部を播磨工場に送電した。当日の送電計画変更のほか、負荷追従や通告型といった方式の異なる部分供給も実施し、運用上の問題がないことを確認した。
実証試験では、電力小売り子会社のカワサキグリーンエナジーが電力広域的運営推進機関への発電計画の提出などの関連業務を代行。需要予測などを含む発電計画の策定では、もともと有しているガス発電機向けEMS(エネルギー管理システム)技術を活用したという。
同社エネルギーソリューション&マリンカンパニーエネルギー事業推進室企画グループの西村純也氏は、「今回の実証試験をもとに自己託送に対応したEMSを開発できれば」としたうえで、「業務支援を含めた総合的なサービスを提供していきたい」と話す。
今回はガス発電設備の電力を自己託送したが、太陽光発電など再エネ電力への対応も視野にあるようだ。