Inside News

ファイバーゲート、集合住宅向け蓄電設備開発

23年内に実用へ

通信事業を手掛けるファイバーゲートは2023年4月5日、集合住宅や病院・介護施設などでの設置を想定した小型蓄電設備を開発すると発表した。早ければ23年末にも完成させ、北海道札幌市内の集合住宅で実証事業を始める予定だ。

同社はこのほど太陽光発電設備と接続するハイブリッド型リチウムイオン蓄電設備を開発した。蓄電容量2.9‌kWhの蓄電池ユニットを組み合わせ、最大11.6kWhまで拡張できるようにしたほか、充放電制御を行うクラウド型EMS(エネルギー管理システム)を活用することで、建物内に設置した複数の蓄電設備を制御し、構内全負荷型で運用できるようにする。

同社の猪又將哲社長は、「集合住宅のほか、病院や介護施設、公共施設などでの利用を想定し、柔軟に蓄電容量を設計できるユニット方式を採用した」としたうえで、「設備はほぼ完成した。現在はクラウド型EMSの開発を進めているところだ」と話す。

同社は、製造委託先と協力し、試作機の製造に着手した。早ければ23年内にもJET(電気安全環境研究所)認証を取得する構えで、直売のほか、代理店を通じた販売も行う方針である。

すでに北海道札幌市内で建設予定の集合住宅への設置を計画しており、猪又社長は「札幌の集合住宅には蓄電設備に加え、屋根上や壁面へ太陽光パネルを設置する。実運用データを設備やEMSの改良に活かしたい」と語る。

なお、同社は21年5月に新規事業として再生可能エネルギー事業への参入を表明。再エネ事業子会社を立ち上げたほか、22年3月には埼玉県川口市に太陽光発電設備や蓄電設備を設置した賃貸住宅を竣工し、運用を始めている。

開発中の集合住宅向け蓄電設備のイメージ。ユニット方式を採用する

Inside News を読む

一覧を見る