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東証インフラファンド、6銘柄目が上場

伊藤忠エネクスがメインスポンサー

投資法人のエネクス・インフラが2月13日、東京証券取引所のインフラファンド市場に上場した。同市場における上場ファンドとしては6銘柄目で、メインスポンサーは伊藤忠商事グループの伊藤忠エネクス。資産規模は約174億円で、今後5~6年で1000億円規模を目指す。

このほど上場したエネクス・インフラは、伊藤忠エネクスが50.1%を出資するエネクス・アセットマネジメントが資産運用するインフラファンドである。エネクス・アセットマネジメントには伊藤忠エネクスのほか、三井住友信託銀行と投資運用会社であるマーキュリアインベストメント、シンガポールの資産運用会社で再生可能エネルギー発電事業への投資も行うマイオーラ・アセットマネジメントが参画。これら4社がインフラファンドのスポンサーを担う。

電力事業も手掛ける伊藤忠エネクスは、東証によるインフラファンド市場の創設を受け、2016年頃より上場の検討を開始。エネクス・アセットマネジメントの山本隆行社長は、「高まる再エネ電源の利活用に対するニーズに応えたかった」としたうえで、「上場させることは、多様な投資家にとって再エネへ投資する機会ともなり得る」と話す。

検討開始から上場までに2年以上かかったが、山本社長は「上場すれば終わりではなく、定期的な資産拡大を続けなければならない。その蓋然性を高めるためのパイプライン準備に時間を要していた」と説明する。

上場時の資産規模は約174億円。全て太陽光発電所で合計パネル出力は約38MWだが、それ以外にもスポンサーが保有している14件、合計設備容量約243MWの再エネ発電所における優先的売買交渉権を確保。太陽光発電所のほか、風力発電所や水力発電所も含まれている。

まだ稼働していない案件も少なくないが、セカンダリー市場からの積極的な取得も検討するなど、山本社長が掲げる「5~6年で1000億円への拡大」は射程圏内に捉えているようだ。

15年に創設された東証インフラファンド市場では、ファンドの資産規模が小さく流動性も低いため、機関投資家にとって投資しにくい状況が続いている。ただ、各ファンドが資産規模の拡大を目指しており、世界的な再エネ投資の重要性とともに、市場への注目度も高まりそうだ。

山本隆行社長

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