ジオリゾーム、中古パネル取引支援開始へ
産業用太陽光発電所の施工を手掛けるジオリゾーム(大阪府吹田市、井上利一社長)は、中古太陽光パネルの取引を斡旋する事業を始める。ウェブサイトで、中古の余剰パネル所有者と、自然災害などの被害でパネルの補充を求める事業者をつなぐ計画。旧型のパネルを必要とする事案での活用を見込む。
災害で太陽光発電所の一部が倒壊した場合、破損を免れたパネルは引き続き使用するのが一般的な対応だ。破損分は新たに補充することになるが、最新のモデルでは、出力や寸法の違いにより既存の架台に収まらないことがある。それゆえ、復旧時にあえて旧式のパネルを求める発電事業者がいるという。
だが、同社自然エネルギー事業部の河合俊文チーフは、「5年以上前のモデルになると、メーカー在庫も限られ、まとまった数を調達することは難しい」と話す。そこで同社は、損壊からの復旧の際に半端な数のパネルが余ることに着目。過去に損壊を経験した事業者が、余りのパネルを保管していることが多いため、調達先とする考えだ。
事業化に際して、パネルの在庫を引き受けることはせず、持ち主と購入者の仲介を行う。管理費用などが発生して事業化が困難になることを避けるためだ。現場でのパネルの動作確認や施工は自社または協力会社が担う。
河合チーフは、「フリーマーケットサイトのような仕組みで、自由に取引してもらう形を想定している。まずは余ったパネルを持つ〝出品者〟の確保が先決なので、少しずつ告知を始めている」という。ウェブサイトは現在作成中で、半年以内の立ち上げを目指す。
同社は土壌調査が本業。その技術を活かし、地上設置型太陽光発電所のスクリュー杭打ちを手掛ける。今後はO&M(管理・保守)事業などにも力を注ぐ方針だ。