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NEC、中型蓄電設備発売

容量90~540kWh、自家消費用やVPPに

オールインワン型の法人向け中型蓄電設備

NEC(日本電気)は2月27日、中型蓄電設備の国内販売を開始すると発表した。リチウムイオン蓄電池やPCS(パワーコンディショナ)、制御システムなどを一体化したパッケージ設備で、低価格かつ短期間での設置が可能になるという。自家消費利用やBCP(事業継続計画)、VPP(仮想発電所)向けに提案していく。

同社が新発売した中型蓄電設備は、米国子会社で蓄電設備メーカーのNECエナジーソリューションズ(NECES)が開発したもの。NECESは、2009年からこれまでに大型設備を中心に世界各地で700MW規模の受注実績を持つ。

従来は蓄電池やPCSを別置きで提供しているが、今回新たに日本市場に投入した製品は、それら全てを一つの筐体にまとめたパッケージ設備。蓄電容量90kWh及びPCS出力40kW(60Hzの場合。50Hzは30kW)を1ラックとして、最大6ラック品まで揃える。

NECのESS事業部APACセールスエナジーソリューションズ主任の道野僚太氏は、「コンパクトなオールインワン設備なので設置しやすく、工期短縮が見込め、2台置きと比べて設置面積も削減できる」としたうえで、「世界での実績を活かし、日本市場で競争力のある提案が可能だ」と自信を見せる。

蓄電池やPCSは外部調達だが、自社開発した制御システムが最大の強みだという。道野氏は、「蓄電池の使用目的によって、適した制御モードを選択することが可能だ。ピークカットや自家消費優先、BCPなどのそれぞれの用途で、日本市場に合わせた安全かつ費用対効果の高い制御を行っていく」と語る。

日本市場への新製品投入にあたり、NEC本体に販売・サポートチームを設置、NECESと連携しながら日本を含むアジア市場に拡販する。EPC(設計・調達・建設)や保守業務を担うパートナー企業を通じて販売していく予定だ。

商業施設や工場、倉庫などにおける太陽光発電と併設した自家消費利用のほか、VPP関連需要などの獲得も狙う。

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