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神戸都市開発、EVつき太陽光住宅発売

同社の施工する住宅は、太陽光発電設備などを搭載するほか、長期優良住宅認定に適合しているという

注文住宅建設の神戸都市開発(神戸市、福井健太社長)は2月18日、電力の100%自家消費を謳う住宅を発売した。太陽光発電設備とV2H(車から家への電力供給)機器に加え、EV(電気自動車)も併せて販売する。顧客が別途EVを用意する手間を省くことで訴求力の強化を図った。

同社は、太陽光発電設備の販売・施工を行う新日本住設と共同で、自社が住宅を施工する際の太陽光発電設備の導入を進めてきた。これまでは余剰電力の売電を提案してきたが、このほど電力の自家消費に主眼を置いた住宅を発表。太陽光発電による電力を蓄電することで、電力会社からの電力購入が不要になると強調している。

ただ、住宅用蓄電設備が高価なことから、EVを蓄電設備として活用することに着目。新日本住設を通じて中古のEVを手配し、太陽光パネルを搭載した住宅とともに販売する。EVの車種は流通台数の多い日産のリーフを想定。初期型のモデルでも蓄電池が24kWhの蓄電容量を持つため、経年劣化で容量が1~2割低下しているとしても、充分実用に耐えると見込む。同社の予測では、満充電から丸2日間は家庭の電力需要を賄えるという。

価格設定は、105㎡の一戸建て住宅に出力4kWの太陽光発電設備とV2H機器を併せて2100万円とし、EVは150万円とする。

商品開発の背景について、福井社長は、「太陽光発電による売電は、住宅自体の価値とは関わりがない。住宅メーカーの視点から太陽光発電を活かす術を考え、自家消費が最もよいとの結論に至った」と語る。

EVを専ら蓄電設備として活用するため、顧客が別の自動車を保有することを想定し、駐車場は1棟につき2台分確保する。そのため、敷地面積を比較的広く取れる郊外地域での提案を検討しており、本社のある神戸市周辺のほか、事務所を置く滋賀県での顧客獲得を狙う。今後半年で10棟の受注を目指す。

同社は2009年に創業し、注文住宅の設計と施工を展開。住宅建設に際しての土地調達なども行う。17年より太陽光発電の導入を提案し始め、これまでに太陽光発電設備を搭載して施工した住宅は80棟余りという。

福井健太社長

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