住友電工、故障検出装置を改良
4月発売へ
電線大手の住友電気工業(大阪市、井上治社長)は2018年12月、自社製故障検出監視装置を改良したと発表した。より詳細な異常判定を可能にするなど、機能面の充実を図った。4月に販売を開始する。
同社は18年に発売した故障検出装置に3つの新機能を加えた。
まず、ソフトウェアのアルゴリズムを組み直して、より詳細な異常判定を可能にした。緊急な対処が必要な5つの異常と、経年劣化やパネル汚れといった緊急に対処が必要ではないが発電量低下を引き起こしている2つの異常のうち、どの異常が現地で発生しているか自動診断する仕様に変えた。従来品では、異常の判別までは難しかったという。経済産業省の17年度『電気施設保安技術高度化の評価・検証事業』に参加し、その成果を取り入れた。
さらに、1日の発電量などを報告するレポートを任意のアドレスに毎日送信する機能を付け加えた。
そして、発電所の地図を画面上に表示したうえで、異常が大体どの位置で起きているのか、視覚的にわかる機能を追加した。3つの新機能のうち、この機能のみ、オプションで提供する。
14年10月に大規模集中型パワーコンディショナ用のストリング監視装置を発売し、4年間で合計450MWの発電所に出荷してきた。昨年、取得した発電量のデータから故障を検出する装置を開発。「ストリング監視装置を導入する目的は発電量の傾向を分析するためだが、せっかくのデータを満足に活用してもらっていないと感じていた」(エネルギーソリューション営業部の矢内紫主査)。
旧版の故障検出装置を導入している顧客に対しては、無償でのアップデートも検討している。なお、19年度からは海外市場の開拓に本腰を入れる。中東やアフリカ、南米への進出を目指しているという。
矢内主査は、「21年を目途に、海外市場における売上高を、日本市場の売上高以上に伸ばしたい」と意欲を語った。