千葉大ら、農業委に営農用太陽光のアンケート調査実施
千葉大学らは2月8日、全国の農業委員会に実施した営農用太陽光発電に関するアンケートの結果を公表した。18年8月末時点で一時転用許可件数は1347件だという。遮光率が高くても育ちやすい作物が選ばれる傾向や、営農用太陽光発電に懐疑的な農業委員会が多いことを指摘した。
千葉大学大学院社会学研究院の倉阪秀史教授の研究室と、NPO法人地域持続研究所が昨年10月、一定の基準を超す農地面積を持つ1465市町村の農業委員会に調査への協力を依頼、全体の80.1%にあたる1174市町村から回答を得た。
調査報告によれば、18年8月末時点の一時転用許可件数は、1174市町村全体で1347件にのぼり、都道府県別では、千葉県がもっとも多く313件、次いで静岡県の173件だった。
また、ミョウガやサカキなど、遮光率が高くても生育しやすい品種が営農作物に選ばれる傾向があるという。なかには遮光率100%にしてシイタケや薬用ニンジンを育てる事例や、ダイカンドラやレッドクローバーといった被覆植物を栽培している事例もあった。
さらに、太陽光パネルの下で十分に営農できないと思うか、という問いに対し、約6割の農業委員会が、「そう思う」と回答したことを受け、千葉大は、「営農用太陽光発電に懐疑的な農業委員会が多い」としている。