アイテス、1500V対応パネル検査機器発売へ
太陽光パネル検査機器開発のアイテス(滋賀県野洲市、五十嵐靖行社長)は、2019年1月に直流1500V対応のパネル検査機器を発売する。システム電圧1500Vで設計された発電所が現れ始め、需要が高まっていた。発売初年度の販売目標は100台だ。
今回発売した新製品は、結晶系・ヘテロ接合型太陽光パネルの開放電圧と抵抗値をストリング単位で測定するというもの。パネルに異常が発生すると、抵抗値の上昇や開放電圧の低下が起きる。使用者はその異常値から故障の有無を判断する。
同社は従来1000V対応品までしか揃えていなかったが、「O&M(管理・保守)事業者から、1500V対応の検査機器を求める声が少なくなかった」(製品開発部統括部長の藤田敦取締役)ことで、17年末に開発に着手。18年夏頃試作機が完成し、フィールドテストを経て、製品化を果たした。
藤田取締役は、「システム電圧1500Vで発電所を構成し、建設費の低減を図ろうとする発電事業者は今後増えるだろう。数100kW規模の発電所であっても、1500Vでの設計が当たり前になるのではないか」と見る。
新製品は、価格が60万円程度になる予定。なおプローブを付け換えれば、システム電圧1000Vの発電所の検査にも使用できる。データ記録件数は4000件で、1500Vシステムであれば30MWを継続点検可能である。
藤田取締役は、「今後も、市場に出回る多様な太陽光パネルに合わせて、測定器を作り続けていきたい」と抱負を語った。