安川電機、出力65kWの分散型PCS発売
1000V対応機で最大級
中小型PCS(パワーコンディショナ)大手の安川電機(福岡県北九州市、小笠原浩社長)は11月より、単機容量65kWの分散型PCSの国内販売を開始した。直流電圧1000V対応の分散型PCSのなかでは最大級の単機容量を誇る。高圧や特別高圧太陽光発電所向けに提案していく。
同社が国内販売を始めた65kW機は、グローバル対応のユニバーサル仕様を施した分散型PCS。米国市場で先行投入し、このほど日本市場に持ち込んだ。最大の特徴は、「ランニング費用を含めた20年間トータルでのコスト削減に寄与できることだ」(同社システムエンジニアリング事業部環境エネルギー事業統括部の山田達哉事業統括部長)。
単機容量が65kWと1000V対応の分散型PCSのなかでも最大級の単機容量を持つため、他の分散型PCSと比べ、設置台数や施工工数を削減可能。現場におけるPCSの設定・操作についても、Wi-Fi通信に対応したことで一括での設定変更などを簡単に行えるという。
1台あたりのMPPT(最大電力点追従)機能は4つで、MPPTごとの電圧・電流監視機能を搭載しているほか、PCS本体には上下分離構造を採用し、上部に電子部品、下部に配線部を集めた。O&M(管理・保守)業務などでの作業効率向上につながる工夫が施されている。
また、放熱設計の工夫によって、高温時でも継続運転するため、発電量の最大化にも貢献できるという。電力変換効率は97%。
製品保証期間は5年。有償で10年または15年に延長することも可能だ。万が一の故障時には、基本的に現地での交換作業を含めたサービスを提供する。
OEM(他社ブランドでの生産)品を除けば、同社は分散型の三相PCSで唯一の国内メーカーとなる。1500V対応の分散型PCSの投入準備も進めており、山田部長は、「国内ブランドである安川電機の信用力や安心感も活かしていきたい」と意気込む。年明けより出荷が始まる予定だ。