みずほリース 花王とバーチャルPPA締結
年間1620万kWh相当の環境価値供給へ
みずほリースは2023年4月28日、使用電力の全量再生可能エネルギー化を目指す花王とバーチャルPPAを締結したと発表した。複数の太陽光発電所が生み出す環境価値を花王へ供給していく予定だ。
みずほリースは、デジタルグリッドが提供するバーチャルPPAスキームの『GPA』を採用した。東京電力管内に複数新設する高圧太陽光発電所、計15.6MWが生み出す年間1620万kWh相当の環境価値を東京都墨田区内の花王のすみだ事業場へ供給する。デジタルグリッドから支援を受け、電力はJEPX(日本卸電力取引所)へ販売する。
みずほリースは、太陽光発電所を運用するSPC(特別目的会社)を設立する。契約期間は非公開としたが、花王と長期契約を交わした模様だ。23年7月から順次環境価値の供給を開始する予定である。
花王は、これまでトラッキング付き非FIT非化石証書を調達し、すみだ事業場の使用電力の100%再エネ化を実現していたが、これを機にバーチャルPPAを活用して100%再エネ化を図る。
みずほリース営業部の福山健上席副部長は、「当社初のバーチャルPPA案件だ。FIP(フィード・イン・プレミアム制度)を併用するため、事業リスクは低い」と述べた。
一方、同社営業部の隈元伸幸課長は、「今回は顧客の要望もあって、バーチャルPPAを提案したが、今後は様々な手法で再エネを供給していくつもりだ」と語る。
花王は19年4月に脱炭素戦略『キレイライフスタイルプラン』を策定したほか、21年5月には『RE100』に加盟した。太陽光発電設備を活用したり、非化石証書を調達したりして使用電力の100%再エネ化を進めている。