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住商、JR九州と系統用蓄電事業会社設立

熊本で蓄電所開発へ

住友商事は2023年4月12日、JR九州(九州旅客鉄道)と系統用蓄電事業の運営会社を設立した。九州全域で系統用蓄電所の開発を進め、24年以降は容量市場や需給調整市場に参入する計画だ。

住商は、100%子会社のBSホールディングスや住友商事九州らを含む住商グループとともにJR九州との折半出資で、系統用蓄電事業会社、でんきの駅(福岡市)を設立した。でんきの駅は、熊本市内で日産自動車製EV(電気自動車)の再使用蓄電池400台を使用し、出力1.5MW・蓄電容量6000kWhの系統用蓄電所を開発する。23年夏頃に着工し、23年度内に完工させる予定だ。

住商はフォーアールエナジーから再使用蓄電池を調達し、蓄電所の運用を手掛け、JR九州は土地を提供する。両社は26年度までに九州電力管内で系統用蓄電所を出力10MW規模まで開発していく構えだ。

住友商事ゼロエミッション・ソリューション事業部大型蓄電事業チームの河野宏樹部長付は、「九電管内では再エネの出力抑制が頻繁に実施されており、系統用蓄電所が必要だ。ただ蓄電所を開発するにも土地を確保しなければならず、今回の提携に至った」と話す。

JR九州総合企画本部経営企画部の小島慶太担当課長は、「当社は鉄道沿線地や遊休地を多数保有しているので、それらを活かしていきたい」と語る。

なお、でんきの駅の社長には住商の河野部長付が就任し、副社長にはJR九州の小島担当課長が就いた。

住商は、15年から鹿児島県薩摩川内市の離島で系統に接続した蓄電設備を運用しているほか、24年には北海道千歳市内で蓄電容量2.3万kWhの系統用蓄電所の運用を開始する。

でんきの駅が熊本市内に開発する蓄電所のイメージ図

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